開催レポート 2017年 企業・団体対象「文教市場勉強会」 第2回

開催レポート 2017年
企業・団体対象「文教市場勉強会」第2回(全4回)

日本教育新聞社は、2017年9月から10月にかけて、小・中・高校を中心とした学校への教育支援活動や、ビジネスなどを展開している企業・団体を対象とした「文教市場勉強会~新学習指導要領を読み解く~」を4回シリーズで開催しました。

文部科学省で教科調査官・視学官を歴任された國學院大學の田村学教授をナビゲーターに迎え、新学習指導要領の目玉とも言われる「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」や「総合的な学習の時間」の動向を確認。また、企業・団体による効果的な教育支援の事例紹介、学校の「困りごと」のアンケート調査報告、そして「新学習指導要領」を具現化した教員による実践発表など、盛りだくさんのシリーズとなりました。

参加した企業からは「マーケティング活動やビジネスフィールド拡大、教育支援活動の展開のヒントが得られた」と好評をいただきました。全4回のセミナーの模様をお届けします。

第2回: 2017年9月20日(水)

“総合的な学習の時間”と企業・団体の教育支援活動 学校応援プロジェクト企画①

進行・解説 國學院大學教授 田村 学 氏
話題提供 教育支援活動を行っている企業・団体の事例
日本財団(海洋教育関連)、花王株式会社(教育CSR)、フォレスタネット(教育コミュニティ運営)

「社会に開かれた教育」「主体的・対話的で深い学び」など、新学習指導要領の狙いを具現化するために再び注目される「総合的な学習の時間」。平成10(1998)年度改訂の学習指導要領で創設されて以来、自ら課題を見付け、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てることなどを狙いに小学校から高校まで取り組まれてきました。

第2回目のセミナーでは、新学習指導要領における総合的な学習の時間の意義と、企業・団体の教育活動の学校への導入事例が紹介されました。

冒頭で田村先生は「総合的な学習の時間は、創設当初は学力低下を招くと批判されましたが、そうではありません。今日までしっかり時間数を維持してきたし、質が高まっています」と評価し、高校では地域の特色ある取り組みが、小中学校では全国的に質の高い探究的な活動が行われていると述べました。

「総合的な学習の時間」を評価

続いて、総合的な学習の時間と親和性の高い、企業や団体による学校での教育活動の事例が各社の担当者より紹介されました。

事例1 日本財団の「海洋教育」

海に親しみ、海を知り、守り、利用する学習を推進する「海洋教育」を推進する日本財団は、東京大学や海洋政策研究財団などと連携し、教材やカリキュラムの開発、実践研究、シンポジウム等の啓発活動を実施しています。海に関する教育と、学習指導要領の各教科や領域の関連を示した単元計画を作成し、海について総合的に学べる教材を提示しています。単元開発に50万円程度、複数の学校が連携して取り組む場合には地域で上限1000万円としっかりした助成制度も学校には魅力です。ウェブサイトによる教材提供や採択校の一覧も公開し情報共有に努めています。

海洋教育パイオニアスクールプログラム
https://www.spf.org/pioneerschool/

事例2 花王の教育CSR(企業の社会的責任)
CAPTION

「子どもの生活力を育む」をモットーに学校教育支援活動を推進する花王。手洗い講座、おそうじ講座、環境講座、UD(ユニバーサルデザイン)講座などを花王グループ社員が講師となり出張授業を行っています。社員の2割は経験ずみで、現在では全社的な活動として認知されるほど。学校向けの活動を社員に理解してもらうには、販売会社を含め「トップを巻き込むこと」がカギだといいます。実際に子どもにふれあうと意識が変化しCSRの必要性を実感してもらえるからです。教材は社内ではなく外部委託により作成したとのこと。誰もが授業しやすい環境を整えることで2016年度は205校で実施という実績を上げています。

花王 社会貢献の取り組み「出張授業」
http://www.kao.com/jp/corporate/sustainability/society/education/in-classroom/

事例3 スプリックスの教員限定サイト「フォレスタネット」

学校の教員向けに、授業準備のための情報サイトからスタートしたスプリックス社の「フォレスタネット」は、会員である教員同士をつなげるサイトとして機能しはじめています。主な機能は、授業のプリントや実践例など「資料の共有」、地域の研究部会などで活用できる「クローズドSNS」、教員が教科などにより自主的に組織する「教員サークルの活動紹介」などです。実践紹介には動画もアップロードできます。ウェブ上ですべて情報共有するため、地域の情報格差が埋められるのがメリットです。学校独自の発信も大事ですが、外部にあるプラットフォームを上手に活用すれば、校務の効率化も図れそうです。

フォレスタネット 
https://foresta.education/

【学校応援プロジェクト事務局より】

会場には、企業・団体の方々が多く集まり、田村先生による新学習指導要領の解説を真剣に聞いている姿が印象的でした。「主体的・対話的で深い学び」を実現させるために、どのような教材を提供するべきか、どのような教育支援活動が学校にとって喜ばれるのか。田村先生のお話で、その全体像が見えてきました。当プロジェクトとしましても、新学習指導要領を意識した学校応援のヒントを得ることが出来ました。

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